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ESR/EPR(電子スピン共鳴)測定サービス(分析受託試験)

Model No. sesr
Feature

ESRとは

ESR (Electron Spin Resonance :電子スピン共鳴)とは試料にマイクロ波を照射して電子スピンの共鳴を観測する分光法の1つです。EPR (Electron Paramagnetic Resonance :電子常磁性共鳴)とも呼ばれています。

ESRは物質中に存在しているフリーラジカル(不対電子)を検出し、電子が存在している環境の情報を与えます。ESRスペクトルから不対電子の有無とその定量、不対電子の周りの原子の状態等が解析できます。また同じく磁場によって核のスピンを検出するNMR (Nuclear Magnetic Resonance :核磁気共鳴)よりも、原理的に700倍の感度を持っています。

磁気モーメントを持つ電子は普段は縮退し等しいエネルギー状態にありますが、磁場H0が加えられると、縮退が解け磁場の方向に対して平行な状態と反平行な状態に別れます。これをゼーマン分裂と呼びます。ここで外部から周波数νの電磁波を電子に与えると、電磁波のエネルギーhνが2つのエネルギー間隔gμBH0に等しくなったとき電子はhνを吸収し、上の反平行向きの状態へ飛び移ります。この現象を電子スピン共鳴と呼びます。

電子スピンに磁場を加えると2つのエネルギー状態に分裂する:ゼーマン分裂

1つの電子スピンと1つの核スピンが磁場中に置かれた場合のエネルギー準位図

受託分析サービス

キーコム㈱ではESR装置を開発、製造すると共に、材料の評価サービスを行なっております。
また、分子軌道計算(半経験的/非経験的分子軌道法 :ab initio法)や密度汎関数法(DFT)による解析も同時に行うことが可能です。

ESRからわかること

・共鳴磁場Hから電子が置かれている環境(分子の形や方向)を示すg値
・線幅(半値幅)から電子の緩和の情報
・ピークの積分強度からラジカル数の定量分析
・線形(Gauss型, Lorentz型):磁気双極子相互作用, 交換相互作用の優劣
・微細構造 (Fine structure : fs):電子スピン同士の相互作用
・超微細構造 (Hyper fine structure : hfs):電子スピンと核スピンの相互作用

ESRの応用分野

ESRは不対電子が存在する分子の情報を高感度で与えますので、様々な用途に利用可能です。以下に測定の例を挙げます。

化学

・不対電子の有無および定量分析
・分子中の不対電子の位置およびその周囲の状態
・スペクトルの経時変化から、ラジカル反応等の反応速度や反応機構
・ラジカル発生を伴う触媒の活性評価
・熱や光による高分子の分解

生物・医学

・ヒドロキシラジカル(HO・)、スーパーオキシド(O2-・)等の活性酸素
・放射線被曝の定量
・放射線照射食品の検知
・生物学的スピンプローブの標識

固体物理学

・結晶の異方性
・結晶中の磁性イオンの起動状態の情報
・半導体の格子欠陥やダングリングボンド

測定例

抗酸化物質の評価

  スピントラップ剤(DMPO)を使用しヒドロキシラジカル(HO・)を補足することで、抗酸化物質投入前後のスペクトルから抗酸化物質の評価を行うことが可能です。
抗酸化物質によるヒドロキシラジカルHO・の消失を観察することができる


ラジカルとN原子(I = 1)とH原子(I = 1/2)の核スピン間の相互作用によってスペクトルが1:2:2:1に分裂する