照射食品とは |
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肉、果物、香辛料などに放射線を照射することにより、殺菌、殺虫、発芽防止した食品のことで、日本ではジャガイモの芽止めのためのコバルト60のγ線照射のみが認められていますが、それ以外は全く禁止されています。 しかし、世界的には、①害虫やカビ、腐敗菌による収穫後の被害と食糧の損耗を防ぐ、②食品の衛生化と食中毒防止の対策、③遠隔地からの農産物に対する検疫の手段、として欧米やアジア各国など50余カ国で200種を越える食品に対して照射が許可されております。 多くの食品を海外に依存しているわが国にとっては一大事であり、ひそかに照射された食品が輸入され、知らず知らずのうちに食べているおそれもあります。 従って、税関による水際作戦として、徹底した照射食品検知システムを構築する必要があります。 |
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ESR X10SA Version3 | |||
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特 長
• 高感度/コンパクト(28(W) x 35(D) x 24(H)cm)で、現場でも使い易い携帯型ESR装置です。• 標準型XバンドESRシステム以上の測定感度を持っています。
• 希土類磁石等の採用により重量約24kgの小型化を実現しました。
• プロセス監視用、手持ちのPCによる卓上ESRセンサー、遠隔操作など用途が飛躍的に拡大します。
測定対象の食品
当装置の計測対象は多岐に亘りますが、計測対象のラジカルにより3種に大別されます。
1.骨の信号:牛、豚、羊、鶏、蛙の足、マス
2.セルロース由来信号: 黒コショウ、ピスタチオの殻、パプリ力、卵殻、Brown Shrimp、Norway Lobster 、乾燥イチジク、ナツメヤシ、イチゴの苗、オレンジやナシの種子、乾燥マッシュルーム、マカロニ、ゼラチン、生薬、小麦粉
3.結晶性の糖質 D-フルクトース、D-グルコースに由来する信号: 結晶性糖分を含有する乾燥果物(パパイヤ、ブドウ、マンゴー 、フィグ(イチジク))
測定例1:照射鶏肉の骨(照射食品データバンクより引用)
図左 未照射、0.5、1、および3kGy 照射した骨のESRスペクトル。照射線量の大小に係わらず、g⊥=2.002 とg//=1.997の付近に主シグナルを持っている。これは骨の無機成分であるヒドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)への電子捕獲によって生じる。図右は高さ(h)の付加線量依存性によって既照射線量(3kGy)の見積もりの方法を示す。標準試料のMn2+(↓印)の信号強度を利用して、ラジカル量が見積もられる。
測定例2:照射イチゴの種 (照射食品データバンクより引用)
図左 3.0 kGy 照射イチゴの種のESRスペクトル。 照射によりポリフェノール由来の信号 A が振り切れるほど現れるが、非照射時でも現れ、その強度は複雑。むしろ照射に応じて大きくなるセルロース由来のラジカル信号 c1 の高さ h を求めて照射量の指標とする(図右)。セルロースを含む多くの種子、殻などが同様の信号を示す。標準試料のMn2+(↓印)の信号強度を利用して、ラジカル量が見積もられる。
仕 様
試料管(標準) | φ5mm 石英試料管 |
試料設定 | 所定の試料ホルダーおよびストッパー |
検出感度(目安) | 数百- 数kGy 以上(対象による) |
マイクロ波周波数 | 9.6 GHz |
マイクロ波出力 | 2-12 mW |
磁場設定領域 | 340 mT |
磁場掃引幅 | 16 mT |
磁場掃引速度 | 0.5, 1, 2, 5, 10 min |
信号増幅度 | Analog amplification: x1, x10, x100, x1000 (4-step switch), Digital amplification: x1, x2, x5 (3-step switch) |
信号出力領域 | ± 10 V |
PC環境 | Windows PC, Data recorded in CSV style |
大きさ | 280(W) × 350(D) × 240(H) mm |
本体重量 | 約 24 kg |
電源(標準) | AC 100 V, 120 W max |
部品番号
部品番号 | 詳細 |
ESR-X-10SA-V3 | ソフトウェアを含んでいます。Windows PCは含みません。 |