物理光学的回折理論(PTD)を採用
車、船舶、人等のRCSシミュレーションには、精度が高く、しかも計算時間の速いPTD方式が最適です。
電磁波の散乱は直接目にすることが不可能であり、従来よりシミュレーション技術が盛んな領域となっています。
電磁波の散乱評価には、モーメント法などの数値解法、物理光学近似法(PO)および上記両者を複合したハイブリッド法等、さまざまな手法が存在します。中でもPTDを採用している本ソフトウェアはPOを改良し精度が高く、計算時間も短く、大きなモデルに適しています。
数学的シミュレーションの一般的精度と計算時間
RCS精度(A) | 所要計算時間(T) | 備考 | |
実機の測定 | A | 計測環境によるが、最も正確 | |
数値解法 | 0.9A | T | 精度は高いが計算量が膨大 |
ハイブリッド法 | 0.5-0.8A | 0.1T-0.3T | 最も実用的であるが、異なる方式の境界部分の計算が難しく誤差が出やすい。従って、部分モデルを実測し、その結果に合致するソフトを選ぶことが必要。 |
物理光学近似法(PO) | 0.3A-0.5A | 0.03T | 簡便で計算時間も短く、大きな試料に適している。 |
物理光学的回折法(PTD) | 0.5A-0.7A | 0.05T-0.2T | 精度が高く、計算時間も短く、大きな試料に適している。 |
特長
例)自動車・トラック・人のRCS(全周、24GHz/76.5GHz)
*モデル精度による対象モデルと計算パラメータ
対象モデル:自動車 計算モード:モノスタティックRCS 角度:0~360°(270°が正面) モデル大きさ:全長×全幅×全高 = 約4.7×1.9×1.5(m) 計算周波数:24GHzと76.5GHz |
計算結果 青:正偏波 緑:クロス偏波
24GHz | 76.5GHz |
対象モデルと計算パラメータ
対象モデル:トラック 計算モード:モノスタティックRCS 角度:0~360°(270°が正面) モデル大きさ:全長×全幅×全高 = 約8.2×2.5×3.0(m) 計算周波数:24GHzと76.5GHz |
計算結果 青:正偏波 緑:クロス偏波
24GHz | 76.5GHz |
対象モデルと計算パラメータ
対象モデル:人 計算モード:モノスタティックRCS 角度:0~360°(270°が正面) モデル大きさ:約1.7m 計算周波数:24GHzと76.5GHz |